花屋の仕事ってつらい?楽しい?夢はある?これから業界はどうなるか【元花屋目線の所感】

  • 2021-05-17
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お花屋さんになりたい?

少し前までは小学生の女の子に聞いたなりたい職業ランキングでは常に上位に入っていた、

「お花屋さん」。

今ではあまり聞かなくなってしまいました。

お子さん達が夢見るおしゃれな職業というイメージから少し離れてきているのかな、と思います。

今はもう辞めてしましましたが花屋歴10年。

仮にもフラワー装飾技能士1級取得者のわたし。

これから花屋になりたい方々に現実をお伝えしたいと思います。

辞めたからこそ言える、思える。

良いところもそうでないところも、花屋という職業に興味がある方の参考になればと。

現実的にも将来的にも厳しいものになっているのは間違いありませんが、

なりたい仕事に夢を持って、でも現実と向き合う為にも是非ご一読を。

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花屋の仕事あれこれ

bunch of fresh elegant flowers in hands of crop unrecognizable bride
Photo by Evelina Zhu on Pexels.com

花屋はキレイな仕事ばかりではない

これはほんとよく言われる事ですね〜。

目に見える部分はとてもキレイな花屋。

だけど裏では肉体を酷使する色々な作業や修行が待っています。

どんな仕事にも裏側はつきものですけどね。

花屋の場合具体的には、

  • ほぼ屋外の市場での積荷、荷下ろし
  • 寒い冬でも水に手を触れながらの作業
  • 花のトゲや花粉、農薬で肌荒れ手荒れや、鼻炎になる人も
  • 花を挿した重い商品の納品、回収

などが挙げられます。

同じ体制で作業をしてたりもするし、冠婚葬祭やお祝い事で使うような花を挿した商品って結構大きくて重たいものもあって、

腰をやられてる人は結構多いです。

反対に歳取ってからも少し体を動かしたりできるから、いいって言う人もいました。

男性目線の話なので女性はほんと大変だろうなぁ、と思って一緒に働いてましたよ〜。

花屋の収入は?

これはなかなか厳しいもので、

一般の会社員の年収よりは安い、

と考えたほうが良さそうです。

日本の年収の平均が422万くらいと言われる中で、

花屋の平均は360万くらいというデータもあります。

もちろん勤めた地域や会社による差は大きいとは思います。

年収以上にやりがいを求めてないと続かない業界ではないでしょうか。

花屋の仕事の種類は?

花束を作って接客をして、お祝いのスタンド花を作って配達して、

ご葬儀の祭壇花を会館に納品して、時にはお客さん相手にレッスンをして。

一口に花屋と言っても規模も種類も様々。

夫婦だけで経営しているような小さなお店から、

全国展開している青山フラワーマーケットさんみたいな大企業もあります。

普段使いからパーティや冠婚葬祭まであらゆるシーンで使われる花。

当然そのシーンに応じてお店毎の経営の仕方も大きく異なります。

どんな花屋でも一つの事だけをしていればいいという事はないですが、なにを中心にしていくのか、

自分のお店の方向性を持っている花屋が多いです。

ガーデニングが好きだから園芸メインのお店がいいのか、

オシャレな街のお花屋さんがいいのか、

ご葬儀を専門としている専門店がいいのか、

ホテルに入っているテナントがいいのか。

それによって知識や技術の必要な部分が微妙に変わってくる気がします。

どんな形態を取っている花屋なのかは確認をしておきたいところですね。

花屋はいつが忙しい?

基本的に切り花の入荷が毎週月、水、金曜日

なので必然的にその日にやる作業は多くなります。

朝早いと思われがちですが案外そうでもなくて(市場のスタートの地域差にもよりますが)、

わたしが勤めたいた会社は8時半から17時半が定時のノーマル企業でした。

仕入れに関わると朝早くなったりもするので、会社内でも個人差はあるかとは思います。

時期的には一年を通していくつかの物日と言われる稼ぎ時があります。

最も有名なのは母の日でしょうか。

母の日近くは大体の花屋さんは夜遅くまで作業をしていたりするので、なかなかに憂鬱な時期かもしれません。

お盆やお彼岸、年末、年度末も忙しくなる時期です。

年中何らかのイベントに対応していく必要はあるんですね。

花屋で働くには

tender yellow flower placed flat on desk
Photo by Karolina Grabowska on Pexels.com

花屋は女性向き?男性向き?

基本的に女性が多くて華やかなイメージが強いかもしれません。

実際にショップ型の店頭販売を中心に行うような花屋さんや、園芸店は女性の比率が高いように思えます。

反面、ご葬儀を専門に行う花屋さんはほとんどが男性な事が多かったです。

私が知っている花屋さんでは、

店舗スタッフは全員女性、配達や冠婚葬祭の花の担当スタッフは8:2くらいで男性。

という会社も。

作業内容的にも重い物を運んだり大きなものを作ったり、男性が重宝がられているのはそういった花屋かもしれません。

花屋になるには?

結論から言うと、

誰でも何歳からでもなれます

私自身も30歳近くになってからの転職で花屋を選びました。

花屋になりたい人が行くような専門学校もあります。

反対に私のように無資格無知識でも挑戦しやすい業界ではあります。

私と同じく30歳近くで入社して、7、8年働いて独立した先輩もいます。

その分後から覚える事が多かったり、技術を身につける為に時間や労力を使わなければいけないのはどんな業界でも一緒ですね。

花屋に必要な技術や能力は?

当然、花に対する知識や技術、センスや感性を磨いていく、伸ばしていく事も必要です。

しかし、花屋をやる上で最も必要なのは、お客さんや業者間、市場などで交流がある他の花屋さんとのコミュニケーション能力ではないかと思います。

よほどのセンスやテクニック、経歴がない限りはやはりコミュニケーションを通じて売上や情報を獲得していかなければなりません。

街のオシャレな花屋さんがお高くとまっていたら寄り付くお客さんも減ってってしまいます。

反対に、スーパーの中の小さな花屋さんでもまたこの人から買いたいな、と思って貰えたらお客さんは何度も足を運んでくれるでしょう。

人間力はなんの商売でも基本ですね。

これから花屋は

vase with fresh delicate roses placed on table
Photo by Rikonavt on Pexels.com

花屋の昨今

花屋の仕事は?の項にも書いてありますが、

自分が花屋になってどうなっていきたいのか、

で将来設計は大きく違ってきます。

ここでとある気になるデータを一つ。

業界の売り上げ自体は1992年を境に年々減少傾向

反対に店舗数はここ30年あまり増減がないという事です。

という事は競争は以前よりも明らかに厳しいものになっているという事でしょう。

開店数=閉店数になっているのではないでしょうか?

私の知人の花屋さんも独立して自分のお店をオープンしている人もいます。

逆に潰れてしまった老舗もあったりします。

花屋の仕事内容も地域性に合わせて、どこに主軸を置くかで方向性が大きく左右されていく状況になっているのです。

↓こんな気になる情報もあります↓

「一兆円市場なのにビッグプレイヤー不在。”お花屋さん”に残る非効率」

引用元:https://www.fastgrow.jp/articles/hackathon-exflora

”お花屋さん”は経営が商店体質とでも言いますか、企業的な側面が弱いのも確か。

これからはこういう考え方が必要なのかもしれませんね。

花屋で独立

花屋は最初の投資がそこまで多くなくお店をオープンできる職種。

個人でまたは夫婦で従業員を雇わずに家族だけで経営をしている花屋さんは多いです。

また地元密着型が多い花屋業界。

地元の大きなホテルや冠婚葬祭のホール等と契約があれば長く経営をしていくことも可能なのです。

もちろん既に契約をしている花屋さんもいるはずなので、

小さい店舗の新規参入は難しく、反対に大手にかっさらわれていく小さな花屋さんも少なくはありません。

全国展開している大きな花屋さんや、地元のそこそこの花屋さんにいるのとは違った自由さ、自分のやりたい事を求めて独立する人はどの時代も一定数いるようです。

花屋の技術大会とかも

とはいえこれじゃあやめといた方がいいと言っているようなもので、そういうつもりではない私は前向きな話もしたいと思いますよ。

花屋のやりがいの一つに、

自分のデザインを追求できる

というものがあります。

接客をしてお客さんの要望に応えるだけでなく、花屋さん同士の定期的に行われている技術を競う大会に挑戦する事もできます。

仕事以外の時間と労力を必要とするので挑戦する事は容易ではありません。

普段の商品とは違い、想像力を働かせて自分のデザインした作品を見てもらって評価される事は花屋冥利に尽きる一面でもありました。

手仕事だからこそ

普段自宅に飾る花。お墓参りに持っていく花。結婚式の花。ご葬儀の花。生花やレッスン等趣味の花。ホテルの宴会の花。母の日な花…。

日常にも非日常にも、

花を使う機会はたくさんあります。

その機会をどうやって知ってもらうのか、どうやって使ってもらうのか、それを考えて実践していくのがこれから花屋になろうと思っている方の課題になっていくと思います。

好きだけで続けるには給料が良いわけではないから、やりがいを見つけられるかどうかが分かれ目ではないでしょうか。

花屋さんと花屋さんになりたいあなたに明るい未来がありますように!では!

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