クラウトロック名盤|「Cluster」から「Harmonia」5枚のアルバムで追う|テクノからポスト・ロックまで|クラウトロック名バンド

「Cluster」のはじまり

引用元:YouTube

ドイツはベルリンのクラブ、ゾディアック・フリー・アート・ラブで、「Kluster」として活動していたところから、

コンラッド・シュニッツラーが抜けて新たなバンドとして活動し始めた

「Cluster」

よう
よう

クラブの名前からしてカッコいいわ。。。

シュニッツラーの実験性、前衛性とはまた違う進化を遂げていくわけですが、

その軌跡はアンビエント・ミュージックやエレクトロニカ、はたまたポスト・ロックにも多大な影響を与え続けています。

「Cluster」から「Harmonia」

その流れは切り離せるものではありません。

クラウトロックを、現在の音楽を語るうえで欠かせない要素がそこにあります。

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「Kluster」から「Cluster」そして「Harmonia」へ

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これがこの時代に行われていいたわけで、

今後の音楽への影響は多大。

このビートや音響が与えた後身は数知れずや。。。

よう
よう

個人的にここの移ろいがすべての表現に通じているとも思わせる…!

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Cluster (’71)

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1971年リリース。分裂、散開後最初のアルバムです。

シュニッツラーという奇才がいないとは言え、レデリウスとメビウスも大偉人。

残された音源はどれも凄まじい才能に満ち溢れています。

しかもプロデューサーが、コニー・プランクという、

クラウトロックの巨人たちによって製作されています。

“K”の路線がまだ色濃く残っていて、ほとんどノイズ・ミュージックのような、ざらついた音響が重なった電子音響作品になっています。

アルバムタイトルもバンド名。曲のタイトルも全て曲の時間。

徹底して音から感じる意味みたいなものを排除しているようにも思えます。

Cluster 2 (’72)

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前作の流れをそのままに、ノイズ・ミュージック的な音響作品としての印象を強く残しています。

違った試みも始まっていて、「Im Suden」はギターやベース?の音をサンプリングしてミニマルに仕上げた曲。

シンプルなリフの反復を組み込んでいるので、かなりローファイな曲にも聴こえます。

「Fur die Katz’」、「Live in der Fabrik」などは、前作の音響作品的一面が強く出ています。

その中でも前作にはない音質や、はっきりとした音の抑揚が出てきていて、

意図的に人間の手を加えて動かしてきているのがわかります。

前作の少し不気味な音響作品から、少し明るい作品になったように感じさせてくれました。

「Nabitte」なんかは、電子っぽくなくて生々しくてかなり不穏です。

Zuckerzeit (’74)

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前作で少し明るさが垣間見えたかと思ったら、ここで突然ポップさが出ました。

ところによってはペリキンばりのエレクトロ・ポップ作品です。

全体的に前作より作り込まれていて、偶然性よりも楽曲としてのリズムやメロディの正確な再現性がしっかりと構築されています。

出だしの「Hollywood」から前作とは全く違った振り幅で、

それが敢えて意図的に本作が前作とは違ったコンセプトの作品である事を象徴しているかのよう。

終盤の「Marzipan」、「Rotor」なんかの明るくポップな雰囲気も違いを感じる曲達です。

レデリウスとメビウスが交互にリーダーを取って楽曲を作っているという事もあって、多彩な音楽性が感じられます。

シンセ・ポップのはしりである事は間違いない。

でもクラウトロックの持つ当時の一種の揺らぎのような、手探りでかつ掴み所のない音楽性を持っています。

思索の余地を与えてくれるのがクラウトロックの、この時代の音楽の懐の深さだと私は思います。

Musik Von Harmonia (’74)

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Clusterの2人に、NEU!のギタリスト、ミヒャエル・ローターを加えて出来たバンドHarmonia

その1stアルバムにして大傑作です。

Clusterで発表した前作の流れをそのままにポップさを持って、さらにギタリストを加えたことによって音の幅は広がります。

ギターの加え方がリズム楽器としてでもリード楽器としてでもなく、一つの音響楽器として作用。

「Sehr kosmisch」のような大曲にも絶妙に組み込んできているところが秀逸です。

「Ohrwurm」みたいな音響的な曲も、ギタリストを加えた事でまた違った色をみせていて、

楽しささえ感じさせてくれる名作です。

Deluxe (’75)

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上記のHarmoniaに、Guru Guruマニ・ノイマイヤーをゲストドラマーとして迎えた2nd。

オリジナル・アルバムとしてはラスト・アルバム。

前作までの流れをしっかりと残しながら、緩やかに進化をしています。

この5枚は一貫されていて、確実に音楽の完成度を増してきています。

「Monza」はローターやノイマイヤーがいないと成立しない曲。

しかしここに続く音楽の系譜は間違いなく含まれたシンセ・ポップの元となる要素を多分に含んでいます。

「Notre Dame」、「Golum」は少し回帰したかのような、

Clusterの2人の進化をみせてくれているかのようなメロディを中心としたメロディアスな楽曲。

最後の「Kekse」は、以降の作品への序章であるかのような壮大でドラマティック、感動的なアルバムの締め括りの楽曲となっています。

これからも続いていく「Cluster」

引用元:Spotify

この後2人はこれまたアンビエント・ミュージックの大本営、ブライアン・イーノとの共作。これを経てさらにその音楽性を確固たるものにしていきます。

時代的にも、ニュー・ウェイヴの勃興なんかもあって、この後はそういった音楽性も含んで進化していっている印象です。

どのバンドにもみられるような流れでもありますけど、クラスターはイーノとの邂逅とかもあって加速度は増していっている気がします。

また、年代的な部分や、豆知識的な部分は、ele-king booksさんの「クラウトロック大全」やWikipediaにお世話になっております。

ありがとうございます。

ではサヨナラ!

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