怪しげなタイトル「サイケデリック・アンダーグラウンド」
みんな大好きクラウトロック特集part3です!
良きものにはどうも聞こえない怪しげなワード、
「サイケデリック・アンダーグラウンド」。
今回ご紹介する、AMON DUULのアルバムタイトルです。
ドラッギーで混沌としたサイケデリックサウンド。
当時のドラッグ・カルチャーの為せる技なのでは!?
正気じゃない音の渦が常に別世界へと連れて行ってくれます!
以前に紹介しているCANやFAUSTなどのアヴァン系のものと無理やり線引きした感もありますが。
よりサイケデリックでストレートなものをこちらの分類に。
サイケって不思議な言葉やで・・・
これがサイケデリック!幾何学模様(KIKAGAKU MOYO)! https://youtu.be/dcW7wSZ3LSY 引用元:YouTube 現代日本でサイケデリックを体現しているバンド、その名も、 […]
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1,AMON DUUL
ミュンヘンにおけるヒッピーコミューンから発生した彼等。
ドイツを転々としながら演奏活動をしていました。
そこで自然と集まって行われていた中でも、音楽はその表現方法の一つにすぎず、
自然発生的に集団として行動を共にした結果が形となったもの。
その形も、政治的・思想的なグループとして活動をしてきたこの「AMON DUUL」ともう一つ、
音楽的・芸術的活動を中心としたグループ「AMON DUUL2」の二つに分裂しています。
よりサイケデリックでドラッギーなサウンドを持ち、
クラウトロックの一つの柱としての形を示しているこちらのAMON DUUL。
ジャキジャキに乱れたギターのノイズ音、反復のリズム、様々なエフェクトやサウンド・コラージュ。
以降のバンドにも大きな影響を与えたのは言うまでもありません。
これから本記事のタイトル付けたくらい個人的にゴリ推しです
2,AMON DULL 2
音楽的集団として活動をスタートした”2”。
AMON DUUL同様のサイケデリックなサウンドが基盤です。
基本にあるドラッギーで破壊的な部分は共通していて、よりロックとしてストレート。
コラージュやエフェクトではちゃめちゃにカオスだったAMON DUULに比べれば、
こちらは音の形がよりはっきりと分かるようなものが多いです。
3,ASH RA TEMPEL
10代のギタリスト、マニュエル・ゲッチングを中心に結成されたバンド。
あくまでブルースをベースにしたサイケデリックでカオスな音世界を繰り広げます。
実際にLSDが付き纏ったようですし、キめまくって作られたヤバイアルバム。
最高にサイケデリックです。
その流れは4枚目のアルバムまで。
それ以降ブルースギターの要素は残しつつ変貌を遂げていきます。
エレクトロニクスやミニマルの開祖とも言われていくその緻密なサウンドが後期の魅力。
初期の狂ったサウンドがそのままどう壊れていくのかもある意味見ものだったかも。
4,WALTER WEGMULLER
スイス人画家、ヴァルター・ヴェグミュラーによるタロットカードを題材にした作品です。
豪華な面々が参加して作られたユニットで、今で言うホークウィンドのようなスペース・ロック作品に仕上げられています。
こういうのって誰が主導になっているのかが気になるところ。
楽曲によってそれは流動的なものだったのかもしれませんが、
マニュエル・ゲッチングの目立ちっぷりはなかなかのもの。
5,THE COSMIC JOKERS
上記の「tarot」ASH RA TEMPELのアルバム「seven up」等、
思想・アートやポエトリーといったコンセプチュアルなコラボレーションを経たセッション・プロジェクトが、
ストレートなサイケデリック・ロックのセッションへと変貌を遂げた。
やっている事はずっと変わらないですが、洗練されていっている様子はよくわかります。
「tarot」に比べてアルバム全体を包むサウンドがよりエレクトロニクスの割合を強めて、
そのことによって浮遊感を増幅させている印象があります。
スペーシーでサイケデリックなクラウトロックの大名盤が生み出されています。
この後には第2弾「galactic supermarket」の発表も。ネーミングのストレートさも大名盤。
6,AGITATION FREE
AMON DUULやASH RA TEMPELといったサイケデリックでドラッギーなサウンドと肩を並べて、
少し違ったアプローチをしているバンドです。
即興演奏によるオーソドックスなスタイルと、
実験的エレクトロニクスを掛け合わせたミクスチャーという新たな表現方法を提示していたりします。
発表年代的にも先のバンド達よりも先をいっていた部分があります。
いつの時代も先進的なものへの探究心は新しいものを生み出し続けます。
7,EMBRYO
クラウトロック初期の試行錯誤されている時代から生き残っているバンドの一つ。
クラウトロック全般に言える実験性。
その方向性は前述の他のバンドのようにドラッギーに、破壊的に、エレクトロニクスに、
といったものとは異なって、より生の音を即興演奏にのせている、フリー・ジャズが主体となっています。
エスニック・バンドとしてのアイデンティティが3rdアルバムの頃に確立されて、数多くの作品を残しています。
8,ANNEXUS QUAM
今回の中で最も浮遊感の漂うサウンド。
フリー・ジャズ、民族音楽、ロック、現代音楽など、
個々のメンバーの嗜好が融合されたフリー・フォームバンドと称されるそのまま、まさしくその通りです。はい。
こうもフリーな現代音楽的演奏をロックの中で許容できる音楽は、
この時代のクラウトロックしかないでしょう。
9,WALLENSTEIN
これでもかというくらいスペーシーに攻め立ててきてみたり、
シンフォニックがあったり、ハードロックがあったり、
アシッドなフォークサウンドがあったり、と、
色々やるけど、一つ一つはわかりやすいシンプルなサウンド。
10,GILA
後にpool vuhに加入するギタリスト、コニー・ファイトを中心に展開されるスペース・サイケ・ロック。
クラウトロックを代表する他のバンドにも劣らないサイケデリックでスペーシーなロックを聞かせてくれます。
ピックアップしたこのアルバムの後メンバーはガラリと変わり、
全く違った雰囲気のアシッド・サイケな名盤も製作されています。
11,GERMAN OAK
ジャケットからしてお察しがつきそうな異端です。
サウンドはそこまで大幅にぶっ飛んでいるという事はありません。
ガレージ・サイケに、コラージュされた様々な音が混ざり込んで、
クラウトロックらしい無秩序なサウンドに仕上がっております。
冒頭の演説がヒトラーのものだったり、
ロンドンを爆撃する v1ロケットをシンセで再現していたり、、、
ジャケの通りのヤバい部分もあり□。。。
12,BRAINTICKET
単なるサイケデリック・ロックバンドではないこのバンド。
ピックアップしたこの3rdが分岐点というか進化したところのようですが、このアルバムは大名盤です。
サイケデリック、スペーシーという定番の要素に加えて、
オルガン、フルートも織り交ぜて壮大なプログレッシブ・ロックを聴かせてくれます。
クラウトロックpart3サイケデリック編はここまで!
今回もまた色々な書籍やサイト様を参考にさせていただきました!ありがとうございます!
サイケデリックでスペーシーでドラッギーなサウンド溢れるpart3。
どうしても時代的なものもあって、ドラッグ・カルチャーは切り離せないのかな、と思います。
ここでも実験的精神を持ったバンドが数多くいて、ほんっとに以降のバンドに大きな影響を与えているなぁ、と思わされます。
何かの折に振り返ってみるのもいかがでしょうか~